法人成りの相談をうけて感じた事

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個人からの法人成にしても新規の法人設立
にしてもメリットがないと法人は作りません。

先日の法人成りの相談を聞いて
法人成りのメリットとデメリットで
最近感じる事を書きます。

メリット

・給与所得控除

事業主さんが給与(役員報酬)をとれますから
給与所得控除分の節税効果があります。
ただし、ここ数年の改正により高額の
報酬には節税効果が薄れてきています。

※個人の場合、奥さん他に給与があると専従者給与を
取るのに制限がありますが、法人からの給与なら
その点を気にする事なく給与の設定ができます。

・生命保険

個人で生命保険をいくらかけても年末調整や
確定申告時に少しだけ引いてもらえると言った
感覚ですが、法人契約で社長等を被保険者にして
生保にはいれば1/2から全額を法人の経費(損金)に
する事ができます。

※生命保険の活用は利益の繰延的な商品もあるので
節税と言えないものもありますが、使い方次第では
効果があります。

・見栄

「代表取締役◯◯」と名刺に書いてみたかった。

後輩に先に会社を作られてカチンときた。

とにかく株式会社にしたかった。

人それぞれ会社に対するイメージがあります。
個人から会社にしたから売上や利益が上がる
訳ではありません。

しかし本人のモチベーションややる気が上がるのなら
これを利用するのも良いと思います。

「節税アレコレあるのは有り難いですが、
とにかく会社にしたいのです」
という方に何人かお会いした事がありますので、
そういう思いも大切にしたいと考えています。
※もちろん有利不利のお話をしっかりとした上ですが。

・建設業

メリットではありませんが、最近の建設業は
「法人、社保、建設業許可」が整っていないと
1人会社のような規模でも難しい時代に入ったのかな
と感じています。

私は詳しくはわからないのですが、公共工事の案件で
お客様から
「個人の外注さんは社会保険に入っていないので
使いたくても使えない」
「法人になってもらうか、社員にしてしまうしかない」
という話を聞きます。

デメリット

・社会保険

今のところの最大のネックは社会保険の加入かと
思います。某指導機関から法人成りの相談を受けて
個人の方の社会保険料の試算をする事があります。
※資産というほどの計算ではありませんが、、、

「法人にした場合の負担増はこれくらいになりますよ」
と説明すると
「やっぱり法人は辞めておきます」
という返事を何度ももらいました。

法人成りによる節税よりも(国保から)社会保険料の
負担増の方が大きくなる事があります。
どうしても会社負担分も考えるとかなりの
金額になります。

法人成りを考えるケースですので、
想定される役員報酬金額ものそれなりの
ものになります。

・地方税の均等割

あまりデメリットとは言えませんが、
決算が赤字でも地方税の均等割が
かかってきます。
※岐阜市の場合、市民税50,000円、県民税22,000円

・会計事務所の報酬

法人成りをしても事業の内容はそれほど大きくは
変わらりませんが、法人税の申告など個人の時よりは
複雑になる部分はあります。

そこで会計事務所の報酬も個人の時に比べると
アップする事が考えられます。私も法人成りの
お客様にはあらかじめこの点も説明しています。

まとめ

法人成りにはメリットとデメリットがあります。
節税等の経済的なメリットもありますが、
見栄やモチベーションのような非経済的な
メリットもあります。結構こちらも重要な
位置を占めていると考えています。

法人成りを考える場合は各種指導期間や
知り合いの税理士さん等に相談される事を
お勧めいたします。

【編集後記】

今日は税理士会の例会でした。
他の支部(都会)では税理士会への考え方など
が全く異なる所もあり驚くこともあります。
誰も参加しなくなったらどうなるのでしょうね?

夜は所属する総務部の懇親会でした。
懇親会に参加するしないを考えると
私の中では答えが出ません。

【昨日の1日1新】
お客様から法人成りの相談
お客様からの相談はなぜか無かったです。

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